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BREXITがイギリス留学に及ぼす影響


UK border

2016年6月23日の木曜日に、イギリスではEUから離脱すべきかどうかを決定する国民投票が実施されました。投票結果は、多くの予想に反して、イギリス(Britain)がEUを離脱(Exit)すること、つまり、BREXIT(ブレグジット)が総投票数の51.89%を取得して決定されました。その結果、イギリスの通貨ポンドは主要通貨に対して大幅に下落し、世界各国のマーケットでは、株価が急落しました。

 

EUは、ヨーロッパで二度と戦争を起こさないためと、域内経済発展のためにできた共同体であり、経済的な意味においては離脱するメリットはありません。イギリス財務省の計算だと、一般的なイギリスの家庭であれば、BREXITにより、年間6000ドルもの損失をもたらすそうです。

 

イギリス人は、かつては世界最大の力を誇った大英帝国のプライドもあり、他国から干渉されるのを嫌う傾向は元々ありました。他のEU諸国が統一通貨ユーロを採用している一方、イギリスだけは独自の通貨ポンドを手放すことができませんでした。もう、これ以上、EUの政策に縛られたくない、イギリスだけで判断し、決定したい、という気持ちが強かったんだと思います。特に、ポンドを保持している安心感もあり、EUから離れてイギリスだけでもやっていけるという自信もあるのでしょう。

 

イギリス国民は、ギリシアなどの財政を助けるために多額の援助を行っていることを不満に思っていましたし、ルーマニアやポーランドなどの給与水準が低いEU諸国からの移民が年間30万人もイギリスにやってくること、また新しい移民のために医療費や教育費を多く負担していること、多くの移民が移住することにより、学校や病院では人が溢れかえって、家賃が上昇していることなど、EUのルールに従って移民を際限なく受け入れることによる影響にフラストレーションを感じていました。

 

EU加盟国同士では、人の移動は自由ですし、働くことも自由です。医療費や教育費も同等の恩恵を得ることができます。また、輸出入の際に、関税もかかりませんし、通常は必要とされる輸出入の多くの書類や煩雑な手続きも不要です。イギリスは別ですが、他のEU諸国は単一通貨のユーロを使っているので、両替する必要もありません。EU加盟国であることによってイギリスも大きな恩恵を受けているのですが、当たり前のことのように受け取られており、その恩恵は忘れられています。今回の決定は、イギリス国民が、論理ではなく、感情に流された結果だと思います。

 

BREXITが及ぼす影響について、政治的に、経済的に話し出すと長くなりますので、ここでは、イギリス留学について、どう影響するか、ということに絞って考えたいと思います。

 

The Pie Newsというイギリスの国際教育を専門としたウェブサイトがあります。ここで興味深い記事がありましたので、一部のみを抜粋してお話しします。

内容をもっと詳しく知りたい方は、以下のウェブサイトをご覧ください。

PIE news

News and business analysis for Professionals in International Education

Brexit: Industry reacts as UK votes to leave EU

 

Julia Goodfellow, president of Universities UK acknowledged, “Leaving the EU will create significant challenges for universities.

EU離脱は、イギリス国内の大学に大きな障害をもたらす。

 

“Our first priority will be to convince the UK government to takes steps to ensure that staff and students from EU countries can continue to work and study at British universities and to promote the UK as a welcoming destination for the brightest and best minds,” she added.

イギリス政府にまずやってもらいたいことは、現在、EU諸国から来ている留学生や職員がこれまで通り大学で勉強したり、働くことができると約束し、イギリスは今後も有能な人材の留学先や就職先であることをプロモーションしてほしい。

 

Vincenzo Raimo, pro vice-chancellor for global engagement at the University of Reading said universities now must reassure overseas partners that the UK remains an open and welcoming place. “Our jobs are more difficult now because we need to get out on the road to reassure people,”

イギリスの大学は、海外のパートナーに対し、イギリスは今後もオープンでウェルカムな国であると安心させないといけない。しかし、これは大変な仕事になってしまった。

 

Raimo said the University of Reading has already issued a tuition guarantee to European students enrolling in September that fees will not increase during their time on campus regardless of any potential policy changes.

リーディング大学では、9月に入学するEU諸国からの留学生の授業料を彼らが卒業するまでは、政策が変わろうとも、値上げしないと保証した。

 

“For Tier 4 though to be extended to all EU students would be everyone’s worst nightmare,”

(日本人学生が取得しないといけない)学生ビザをEUからの留学生が取得しないといけなくなるのは悪夢のようなことだ。

 

Meanwhile in a statement, Dr Wendy Piatt, director general of the Russell Group, said leaving the EU creates “significant uncertainty for our leading universities”.

EU離脱は、イギリスの名門大学に深刻な疑念をもたらす。

 

Meanwhile English UK, the representative body of the UK’s English language sector, a vital pipeline to higher educator providers, has said it will need more government support to prop up the industry after a 13% year on year decline in business and 23% fall over the last four years.

イギリスの語学留学業界は、去年13%落ち込み、過去4年間で23%も落ち込んだ。政府からの更なるサポートが必要だ。

 

Despite the degree of uncertainty as to what the Brexit implications will be for the industry, education agencies have identified a short-term upside to the decreasing value of the pound sterling.

イギリスの教育界は、不安に包まれているが、短期的にみると、イギリスポンドが下落することにより、語学留学生は増えるだろう。

 

この記事からも分かるように、イギリスの教育業界は、EU諸国からの留学生や研究者や職員が大幅に減少するのではないかと心配しています。今までは、EU加盟国として、人の移動は自由で、勉強も仕事も自由にできましたので、EU加盟国の出身であれば、イギリスに留学するための学生ビザを取得する必要はありませんでしたし、授業料もイギリス人学生と同等の料金で済みました。しかし、EU加盟国でなくなれば、こういった恩恵もなくなり、学生ビザも取得しないといけなくなり、留学中のアルバイトも制限されることでしょう。

 

イギリスにある語学学校には、EUからの留学生が多くいますが、今後、学生ビザを日本人同様にとらないといけないということになれば、その留学生の数は減少すると思われます。同じ英語圏であり、EU加盟国であるアイルランドに多くの留学生を奪われるかもしれません。

 

以上のデメリットは、日本人にはあまり関係ないことかもしれません。もともと、EU加盟国ではない日本からの留学生にとっては、イギリス留学には学生ビザの取得が必要ですし、現地でのアルバイトは厳しく制限されています。ただし、イギリスへ語学留学するEUからの学生が減少することにより、いくつかの語学学校は閉校に追い込まれるかもしれませんし、業界としては、縮小の方向に向かうでしょう。

 

実際にイギリスがEU離脱するまでには2~3年かかるといわれています。長期的に考えると、イギリス留学は衰退の方向に向かっていくでしょうが、短期的にみると、イギリスポンドが大幅に下落しているので、安く留学できるというメリットはあり、留学生の数は増えるかもしれません。あとは、次のイギリス政府が、留学生に厳しい政策を打ち出さないことを祈るばかりです。

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