コミュニティカレッジってご存知でしょうか？日本語に直訳すると「地域の」「カレッジ」です。その名の通り、コミュニティカレッジとは、州政府が補助金を出して運営している州立2年制大学であり、その地域の住民の「教育の底上げ」を図る目的で作られています。
日本だと高校を卒業した人は「１．働く」、「２．専門学校に進学する」、「３．短大に進学する」、又は「４．大学に進学する」だと思います。この「２．専門学校」と「３．短大」を併せ持つのがアメリカのコミュニティカレッジだと考えてください。但し、州立であることと、コミュニティカレッジを卒業した多くの学生は、大学に編入することが、日本と大きく異なるところです。
コミュニティカレッジは、日本の専門学校のように、提供するコースの種類がたくさんあります。会計や簿記などのビジネスコース、料理や製菓コース、プログラミングやウェブデザインなどのITコース、デザインやアパレルなどのアートコース、医療コース、インテリア、映画撮影や演劇コース、写真、理容・美容コースなど幅広いコースを持っています。
また、大学編入コースでは、2年間で一般教養を学び、準学士号を取得したのちに、大学3年次に編入できるようになっています。アメリカ人学生でも、高校卒業後にコミュニティカレッジに入学し、その後、4年制大学の3年次に編入する方が多くいます。
コミュニティカレッジ留学のメリット
コミュニティカレッジへの留学の一番のメリットはその授業料の安さです。授業料は1年間で6,000ドルから9,000ドルが一般的です。（これは留学生や他州の住民の料金であり、州内の学生は、2,000ドルほどしかかかりません。何ともうらやましいことです。）アメリカの大学の授業料はインフレ率が高く、毎年数パーセントずつ値上げしています。一般的に私立大学より安いと言われる州立大学でも、コミュニティカレッジの2倍ほど（州内の学生にとっては、5～10倍ほど）授業料がかかります。アメリカでは、大学進学のために学生ローンを借りすぎて破産する方が多く、社会問題にもなっています。アメリカ人にとっては、何分の一で行けるコミュニティカレッジの授業料の安さは大変魅力的であり、現在ではほぼ半分の大学生がコミュニティカレッジからの編入組だとさえ言われています。
2つ目のメリットとして挙げられるのは、英語さえできればほとんど誰でも留学できるという低い入学基準です。高校時代は遊びほうけて、高校時代の成績だと三流大学しか行けない（アメリカの大学進学には入試がないので、高校の成績は大変重要）という学生には、コミュニティカレッジに行くことで、高校の成績をリセットし、カレッジの成績が優秀であれば一流の大学へ編入できるというメリットもあります。
4年制大学に比較的簡単に編入ができるのも大きなメリットです。多くの州立大学は同州内のコミュニティカレッジと提携を組んでおり、多くのコミュニティカレッジ卒業生を3年次に編入させています。大学やコースによっては、必ずこのコースを修了しないと編入できないという事もありますので、カレッジのアカデミックアドバイザーに相談しながら履修するクラスを決定することをお勧めします。
その他のメリットとしては、州立大学と比較すると1クラスの生徒数が少ないので、先生からの注意が行き届くことや、カレッジ卒業後には、1年間トレーニングの一環として、アメリカでお給料を頂きながら働くことができること、職業コースも充実していることなどがあります。
また、今後は多くのコミュニティカレッジでは、4年間で学士号（Bachelor）を取得できるような動きがあります。そうなると州立大学とどこが違うのか、という話になりますが、4年間安く学位を取れるのは多くの学生にとってメリットがあると思います。
デメリットは？
勿論、コミュニティカレッジのデメリットもあります。入学基準が低いということは、つまり、生徒の質も高くはないという事です。社会人の方もいらっしゃいますし、有名大学への編入を目指す学生ややる気のない学生が混在する環境です。また、いろんなバックグラウンドや目的を持った人たちなので、大学のように同じような年齢の学生が一体感を出して生活するという環境ではありません。自分自身しっかりとした目的を持って、行動しないと、目的は達成できない可能性が高くなります。
個人の問題とは別に、昨今の州政府の予算の縮小によりカレッジにて充分な数のコースが提供されずに、学生が卒業に必要な単位を2年間で取得できない、といったこともチラホラ聞こえてきています。4年制大学の編入受け入れも厳しくなってきているとも聞いています。今までのように簡単に2年間でカレッジを卒業し、大学の3年次に編入ということがやりづらくなっている事も事実です。
お勧め校
カリフォルニア州
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ハワイ州
