最近、大学を1年間休学して留学する大学生が増えています。就職活動前にご自身のスキルを伸ばして企業にアピールできるのは非常に効果的だと思います。大学を1年間休学して留学することによるデメリットはあまりありませんし、寧ろ、留学することによって将来の生涯賃金を上げることができれば元は簡単に取れると思います。ある調査では、留学経験者と未経験者の年収を調査したところ、男性で年収70万円、女性で年収109万円の差がついたそうです(「留学の有無で年収に大差 明大が大規模追跡調査 能力・意欲も向上」(日本経済新聞2015年12月16日))。
とはいっても、将来の賃金が今手元にあるわけではないので、留学費用の高さが多くの方の留学の実現を阻んでいるのも事実です。留学費用に関しては、「留学にはどんな費用がかかるの?」をご覧いただくと詳しくわかると思います。大学生の休学の場合には、これ以外に「休学中の大学への費用」もかかってきます。
「休学中の大学への費用」とはどんなものがあるのでしょうか? まずは、授業料です。休学中なので授業は受講しないにも係わらず、授業料を徴収する大学があります。以前は全額授業料を徴収されるのが当たり前で、半額でもいいほうという時代もありましたが、現在、全額徴収する大学はほとんどありません。しかし、授業料の半分を徴収、3分の1を徴収する大学は多いですし、休学願を提出する時期が遅れると授業料の全額を徴収されたり、休学そのものができないケースは多くあります。
次に、在籍料です。これは、大学に在籍するためにかかる費用です。通常、授業料のお支払が免除になる場合にかかるようです。
その他、大学や学部、学年によって、諸会費や施設費などが必要になる場合があります。
しかしながら、何故、日本の私立大学は休学する学生に対してこんなに多くの費用を請求するのでしょう。他の国の大学ではあり得ないことです。昨今、日本の若者が海外留学をしないことが問題になっています。国を挙げて多くの日本の若者に海外留学するように政策や奨学金を出している現状です。もっと、日本の私立大学は、在校生が休学を利用し、海外留学をするように促進するべきだと思います。休学費を取るのではなく、奨学金を出すくらいの大学があってもいいと思います。
下の表は、現在、どの大学でどれくらいの休学費用がかかるかを、各大学のウェブサイトで調べた結果です(2016年1月調べ)。休学にかかる費用は、大学や所属する学部により異なりますし、細かい規定もありますので、各自、ご自分の所属する大学の学生課に相談してください。この表には、施設費や諸会費は含んでいません。
大学名 | 休学願締切日 | 学費支払 | 在籍料 | |
国公立大学 | 前期休学 | 大学により異なる | なし | なし |
後期休学 | 大学により異なる | なし | なし | |
日本大学 | 1年休学の場合 | 5月末日 | なし | 12万円 |
6/1-11/30 | 前期分の全額 | 6万円 | ||
前期休学 | 5月末日 | なし | 6万円 | |
後期休学 | 11月末日 | なし | 6万円 | |
早稲田大学 | 前期休学 | 4月末日 | なし | 5万円 |
5/1-5/31 | 全額 | |||
後期休学 | 10月末日 | なし | 5万円 | |
11/1-11/30 | 全額 | |||
立命館大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 5,000円 |
後期休学 | 11月末日 | なし | 5,000円 | |
近畿大学 | 前期休学 | 前期期間終了の3ヵ月前 | なし | 6万円 |
後期休学 | 12月末日 | なし | 6万円 | |
明治大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 8万円 |
後期休学 | 11/20 | なし | 8万円 | |
東海大学 | 前期休学 | 記載なし | 半額 | |
後期休学 | 記載なし | 半額 | ||
慶應義塾大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 6万円 |
後期休学 | 11月末日 | なし | 6万円 | |
東洋大学 | 前期休学 | 6月末日 | なし | |
後期休学 | 12月末日 | なし | ||
関西大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 6万円 |
6/1-7/30 | 全額 | |||
後期休学 | 10月末日 | なし | 6万円 | |
11/1-1/30 | 全額 | |||
法政大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 5万円 |
後期休学 | 10月末日 | なし | 5万円 | |
同志社大学 | 前期休学 | 記載なし | なし | 6万円 |
後期休学 | 記載なし | なし | 6万円 | |
中央大学 | 前期休学 | 4/1-4/30 | なし | 設備費半額 |
5/1-7/20 | 全額 | |||
後期休学 | 9/21-10/20 | なし | 設備費半額 | |
10/21-/1/31 | 全額 | |||
立教大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 6万円 |
後期休学 | 12/4 | なし | 6万円 | |
上智大学 | 前期休学 | 5月末日 | なし | 3万円 |
後期休学 | 11月末日 | なし | 3万円 |
さすが、国公立大学です!国立大学は、休学費用が一切かかりません。授業料も在籍料も掛かりませんので、休学しやすいですね。
私立大学の中で感心したのは、立命館大学です。休学中の授業料は全額免除かつ在籍料がたったの5,000円です。立命館大学は、私立大学の中では、最も国際的な大学の一つですし、他の大学の活動をみても国際化に非常に力を入れているのが良くわかる大学です。
あと、上智大学も国際的な大学だけあって条件がいいですね、と言いたいところですが、実は2012年までは授業料の3分の1の授業料が徴収されていました。上智大学学生の署名活動によって2013年度から授業料が免除になった経緯があります(参考ウェブサイト:上智大学の休学の際にかかる授業料の免除)。学生の署名活動によって大学が即時変更したという柔軟な対応は大変評価しますが、個人的には私が在籍していた時からやってほしかったな。。。と思います(笑)。
慶應義塾大学では、施設費が高いようで、そこも免除してほしいという署名活動が起こっているようです(参考ウェブサイト:慶應義塾大学 休学費用減額)。もし、皆さんの大学の休学費用が高いようでしたら、声を上げてみてはどうでしょう?東海大学は授業料の3分の1がかかるようなので、東海大学の皆さん、頑張ってください。